東京大学
国際保健学専攻
生物医化学教室


5. ミトコンドリアのタンパク質合成系

 ミトコンドリアのタンパク質合成は、ミトコンドリアDNA にコードされるリボソームRNA(rRNA)およびtRNA と核ゲノムにコードされる多くのタンパク質因子が協同して行われる。このうちrRNA とtRNA は一般的なものと比べ鎖長が著しく短小化しており、また生物種間でも変化が大きい。我々はこれらのRNA と協調して働く核コードのタンパク質もRNA の変化に対応するため、その構造や特異性を変化させていることを、ペプチド延長因子やリボソームタンパク質の例において明らかにしてきた。そこで、これらの因子の生物種間における変化をさらに明らかにすると共に、特に寄生性真核生物を目標とした薬剤の開発を視野に入れながら、研究を進めている。